白薔薇の君

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それより、嬉しいのは… 貴方に私を見てほしい。 皆から受ける賛辞よりも、貴方の一言がほしい。 初めてお見かけしたのは花見の茶席。 亭主を務めていらしたお姿はとても凛々しくて目を奪われたの。 後でおばさまに帝大の医学生と窺ったわ。 それから催し物に招かれるたびに、貴方のお姿を探すようになっていったの。 遠くからちらりと見えるだけで胸が高鳴ったわ。
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