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秀明は今までの俺の話を聞いて、言葉を失っていた。それもそうか。今俺が話した全ては間違いなく事実だが、限りなくファンタジーだ。
「いや…信じられない。」
ようやく絞り出した言葉がこれだ。
「俺もなんだ。とてもじゃないが信じられない。でも、俺の頭じゃあ理解できない。だから、君に力を借りたくてさ。」
そう言うと、秀明は深くため息をついた。
「わからないよ。僕は僕じゃなくて、君は君じゃないってことくらいだ。」
「違う。秀明は秀明だ。ただ、俺は俺じゃない。秀明は違う俺を知っているはずなんだ。」
「目の前にいる君が君だ。」
彼は首を振って、何も言わなくなった。
俺はコーヒーを一口飲んだ。
数分経っただろうか、秀明が微かに口を開いた。
「………“また別の世界”か…。」
それが今、俺を苦しめている全てだ。
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