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その彼女は、今俺が座るかなり後ろにいるはずだ。
「春香ちゃん、またサークルの男に告られたらしいぜ。お前と別れてからこれで何人目だ?競争率高過ぎて、お前と付き合ってたのが嘘みたいだな。」
「余計な情報ありがとう。俺の知ってる限りではその男が七人目じゃないかな。」
「余計な情報ありがとう。」
そう言いながら、隼人はノートを広げた。相変わらず女の子みたいにノートをまとめるやつだ。
テスト前はよくお世話になっていたりする。
「今日も秀才君は一番前か。」
隼人が呆れたようにつぶやいた。
秀才君とは、学部で一番頭のいい男で、もちろんあだ名だ。
本名は忘れた。話したことも一度しかないし、えらく事務的なものだった気がする。
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