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旅立ちの時
「あなたの名前を入力して下さい。」
NAME_______
>あ ア a 1
あ か さ
た な は
ま や ら
わ
「やだよ。詐欺ですか?コノヤロー」
「いえ……あなたの名前を知りたいだけです。」
「何?ストーカー?」
「違います!私は物語を進行させたいだけです。」
「えっ?俺と君の恋の物語を?」
「そろそろいい加減にして下さい。本名を入力しろという訳ではないんですから。」
「あーじゃあ***で。」
「いや、ちゃんとした名前にして下さいよ…隠されてるじゃないですか。」
「めんど…」
「これから一生***って呼ばれてもいいんですか?」
「あー。それはちょっときついかも…じゃあソラで。俺の名前はソラ。」
「分かりました。あなたはソラさんというのですね。」
「あ、『さん』がつく奴だったか。クエンにしとけばよかった。」
「駄目ですよ。そんな名前。甘酸っぱいんじゃなく酸っぱいだけの恋しかできなくなりますよ。」
「確かに…足が酸っぱい匂いになったらやだもんな。」
「それでは異世界へどうぞ。」
「無視?俺無視?悲しい。俺悲しいよ?」
不意に眠気が襲ってくる。久しぶりだなこんなぐっすり眠れそうなのは…
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