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口に出した瞬間、しまった!って思い慌てて口を押さえたけど、時すでに遅し。
いくら口を押さえたって一度口に出した言葉は取り消す事も無かった事にすることもできない。
静まり返っていた廊下に木崎さんの「え?」という驚きと動揺に満ちた声が小さく響く。
同時に見なくても分かるくらいピリピリと緊迫した空気が辺りに漂うだした。
私は怖くて木崎さんの方を見ることができなくなってしまった。
さっき木崎さんが立っていた机の持ち主はゆーちゃんで……
=(イコール)木崎さんの好きな人はゆーちゃんということになる。
一番の問題は私がその事実を知ってしまった事よりも、同時に木崎さんに私が見ていたことを知られてしまったという事だった。
木崎さんからは異常なまでの緊張感が伝わり、息苦しさと胸に圧迫感を覚える。
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