8人が本棚に入れています
本棚に追加
「お~いミラルダ~、おるか~?」
「………」
「うお!年寄りを脅かすでない!
どうした?壁の角で座り込んで」
「…………………」
「何々?この頃罪人がいないから首を跳ねられない?バカを言うでない、悪い人間がいないのは良い事だ」
「……………」
「でも暇すぎて死んでしまう?ふむ、では町へ出掛けてみるか?」
「……え?」
「嫌か?」
「い…嫌じゃない、けど……」
「なんだ?」
「わた…し、服汚いし、それに、みんな私の事……怖いと思うようにしない…と」
「なに?誰がそんな事言ったのだ?」
「えと……前の処刑人に…」
「確かにそうだが……仕事の時はその覆面を被っているのだろう?
なら外して行けば良い、ついでに服も買いに行くぞ」
「え…あ、でも、わたし…ブス……だし、」
「そうか?少し余に見せてくれんか?」
ミラルダの目出し頭巾に手をかける。
「だ…だめ……!
わたしっ汚いからっ……王様…は、さわっ…ちゃだめ」
「む?余はそのような法を作った覚えはない!
それにこれは王意だ!王意に逆らっては罰が下ってしまうぞ?」
「うぅ……」
意地悪しすぎたか?うつ向いてしまったぞ。
「ミ…ミラルダ?」
最初のコメントを投稿しよう!