第1章

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 私が学んでいたのは実践向けの剣……。    つまりそれは殺人剣。      そして……。      私は人を殺している。    依然と剣筋が違うのは当然だろう。     「お父さんは夢を見ますか?」      そう聞いただけなのに父は苦しそうに表情をゆがめ、目を硬く瞑った。     「夢か……。俺は見ないが、……うちはそういう家系らしい」   「家系?」   「そうだ。平安時代から続いている」      初めて聞く話に、私の方が驚いてしまう。      つまり、この力は代々遺伝しているってこと?     「お父さんは、この力の使い方について何か知っているの?」   「いや、口頭でそういった力があるってことぐらいしか知らん」      突然聞かされた衝撃の事実に頭がついていかない。  
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