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楠さんは私の言葉に、瞳を閉じる。
「……そなたは私の子孫にあたる」
「え?」
突然言われた言葉に驚いてしまう。
「正しくは、私の兄の子がそなたの先祖にあたる。そなたの名は松坂。私の名は楠。五行の木の力を司る名だ」
楠さんのお兄さんが私の先祖?
「この力を持つ子孫の中で、そなたが一番相性が良く、力に目覚めていなかった。そのおかげで私はそなたに干渉することが出来た。だから死ぬ間際、力を使ってそなたの魂を呼んだのだ」
私と楠さんの間に関わりがある。
しかもあの力繋がりで!
「じゃあ、あの力を使いこなせるの?」
「……ああ」
一番求めていた答えを聞いて、心が揺さぶられる。
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