第1章

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「あの世界は裏の世界なんだ」      楠さんが私から一歩離れた。     「裏?」   「髪型も着物も、細かいところを言えばきりないが、あの世界は今の世界が混じったようになっていると思わなかったか?」      指摘された通り、髪型は自由だし、着物も少し洋風が混じっている。     「……あの世界はあの力を持った者が作った世界なんだ」   「え?」   「我々の祖先は、間違った過去の選択をやり直す為に五行力を使い続けた。しかし物事には全て理があり、それに反すれば理から外れる」      五行?    聞いたことがあるような言葉だけど、意味がわからない。     「我々が力を使い続けたせいであの世界が生まれたとも言われている。それからはあの裏の世界でなければ干渉できなくなり、この力を持っていても裏にしか行けなくなったらしい。それでも裏だ。表の時間にそって物事が起こる」      じゃあ、限りなく表の世界と同じことが裏の世界にも起こるってことなのだろうか?  
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