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1人にされ母の気持ちに、また涙が零れる。
最近の私は、泣いてばかりだ。
泣いてちゃだめ。
泣いている時間があるなら、道を開く努力をしなくちゃ。
私は袖で自分の涙を拭うと、すぐに本に視線を戻す。
自分の力なのに、使い方がわからないまま気持ちが焦るばかりで、1日、2日といたずらに日にちだけが過ぎていく。
昔の記録が置いてある道場の倉庫をひっくりかえして、力に関する記録がないか調べる。
でも、出てくるのは道場関係のことばかり。
父が言っていたように、この力は口頭で伝わっているだけだったのかもしれない。
でも、それじゃ困るのだ。
どうしてもこの力を使えるようになりたい。
そんな気持ちから諦めることが出来ず、足掻くようにひたすら情報を探す。
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