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「ただいまー」
まだ懐かしさを感じる玄関で靴を脱ぎ、自分の部屋へと向かう。
「淡雪、道場でお父様が呼んでるわよ」
階段を上がろうとして、奥の居間から母が私を呼び止められた。
いつもなら、昼からパートに出て家にはいないはずの母に驚いてしまう。
「あれ? お母さん、今日の仕事は?」
「あ、今日はお休みよ」
「そうなの?」
私の質問に、少しだけ困ったような母。
何か話があるのだろう。
私は少しだけ笑って見せた。
「わかった。着替えたら行くよ」
私があの幕末に行っていた間。
それはただの夢だった。
神楽地に殺されたはずなのに、目を覚ますと自分の部屋のベッドの上で寝ていたのだ。
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