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呼吸は速く、体中汗まみれだった。
すぐに確認してみたが、体のどこにも怪我はなかった。
ベッドから起き上がり、鏡の前に立つ。
間違いなく、私だった。
体も女の子で、楠さんの体ではない。
机の上で充電している携帯は、たった一晩の時間しか経過していなかった。
たった一晩の夢。
短い時間で私は1年の夢をみていたのだ。
ドキドキとした気持ちで下に降りれば、記憶に見ていた日常があった。
母が朝食の支度をし、父が新聞を広げている。
そんな光景に心は懐かしさが溢れ、胸がいっぱいになってしまう。
帰ってきたのだ。
大好きな両親の元へ。
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