第1章

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 呼吸は速く、体中汗まみれだった。    すぐに確認してみたが、体のどこにも怪我はなかった。      ベッドから起き上がり、鏡の前に立つ。      間違いなく、私だった。    体も女の子で、楠さんの体ではない。      机の上で充電している携帯は、たった一晩の時間しか経過していなかった。      たった一晩の夢。    短い時間で私は1年の夢をみていたのだ。      ドキドキとした気持ちで下に降りれば、記憶に見ていた日常があった。      母が朝食の支度をし、父が新聞を広げている。    そんな光景に心は懐かしさが溢れ、胸がいっぱいになってしまう。      帰ってきたのだ。    大好きな両親の元へ。  
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