始業式

3/3
前へ
/29ページ
次へ
委員長はフンッと鼻をならして、また前を向いた。 俺、こーゆう偉そうな女、嫌だ。 校長が喋り終え、壇上から降りた後、新任教師の紹介になった。 「えー、産休をとったD組の岸本先生に変わって、4月から担任を務めて頂く、柳瀬先生です。」 そうアナウンスが流れると、「カツ、カツ」というヒールの音が体育館に響き渡った。 その女は、割りと長身でやせ形ではないがスタイルがいい。 紺色のスカートは膝下丈で短くはないものの、足が綺麗だってことは十分わかる。 まいった。俺、足フェチなんだよなー。 白いブラウスがまた似合うね。 それに赤ブチのメガネ。 髪型は、こげ茶色のロングストレート。 …なんか…企画もののAV女優みたいだな…。 ざわめく体育館の中、ニヤニヤとそんなことを考えていたら、ふいに誰かが叫んだ。 「雅美!!!」 …は? 俺…? 向こうの壇上を見上げると、しっかり俺を指差して叫ぶ女教師。 目を凝らしてよーく見てみても、心当たりが… 「彩ちゃん?!」 これが 俺らの再会 運命が変わる 瞬間だった。
/29ページ

最初のコメントを投稿しよう!

5人が本棚に入れています
本棚に追加