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私『だ…だっ…大丈夫です。』
振り向く事も出来ずに、声を出したが、その声も震えていた。
男?『良かった。遅いから来てみたよ。』
(遅いから…???)
恐る恐る振り返ると、そこに春人が立っていた。
は『美和ちゃんには止められたけど、夜の女の子の一人歩きは危ないからね。』
そう言って春人は微笑んだ。
私『すみません。ありがとうございます。』
私はその場から、また、立ち上がると春人の方に向き直った。
先、知り合ったばかりなのに、安心をした。
は『直哉も美和ちゃんも待ってるから、早く帰ろうか?もう、買い物は済んだの?』
私『いえ、今からです…。』
私が座り込んでいた事には降れずに、春人が話しかけてきた。
は『そっか。なら、買って帰ろうか。』
私『…はい…。』
春人が私に歩調を合わせてくれて、ゆっくりとコンビニへ向かった。
その間に何か話し掛けてくるという事は、全くなかった。
二人で黙って並んで歩いてると、数分でコンビニに到着した。
は『奈々ちゃんは、ここで待っててね。買ってくるから。』
私『いいえ。私が頼まれたから…。』
は『男に恥をかかせない❗』
笑いながらだけど、はっきりとした、強い口調で春人に咎められた。
私が口を開くまもなく、春人はコンビニの店内の中に入って行った。
私はコンビニの入口で立ち竦んでいた。
(…いいのかな?……)
頭の中で春人に質問をした。
当然、答えてくれる筈もなく、私はボッーとしていた。
春人は手早く買い物を終えたみたいで、私の側まできた。
は『はい。これ。少し飲んだら?』
そう言って、珈琲を手渡してくれた。
私『ありがとうございます。』
そう言って、受け取って珈琲を口の中に流し込んだ。
甘いカフェオーレだ。
仄かに口の中にミルクの味が広がる。
春人は私が珈琲を飲むのを見ながら、ゆっくりと煙草を吸っていた。
は『…………。』
私『…………。』
お互いに喋らなくとも、気まずい雰囲気にはならずにいた。
よく見ると春人の顔は女の子みたいに、綺麗な顔立ちをしていた。
(多分、モテるんだろうな。)
春人は背も高い。
(175㌢ぐらいだろうか?)
春人の顔をジッと眺めてしまった。
『♪~♪~♪』
春人の携帯電話が鳴った。
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