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『ピッピッピッ…ピッピィピィ~』
時計が朝の8時を差す。
いつもより何だか、すっきりとした感じがして、気持ち良く目が覚めた。
鳴り響く目覚ましを止めて、リビングに行くともう、仕事の準備をした美和がいた。
み『今日は定時で帰ると思うから、何か夕飯を作ってくれる?』
私『買い物に行くから、何が食べたい?』
美和が目を丸くして
み『大丈夫なの?』
っと、聞いてきた。
私『大丈夫だよ。少しずつ、逃げないでやってみる。』
っと、ニッコリ笑って答えた。
(こんな風に笑えたのも、いつくらい振りだろう?)
み『わかった。何かあったら、電話してね。どんな事があっても、すぐに飛んでいくから。』
(美和の人を思いやる強さに、救われるな。)
私『ありがとう。頑張ってみるね。』
み『あっ。時間だ。いってきます~。夜は、オムライスが食べたいな。絶対にチキンライスね❗』
そう言い残し、バタバタと仕事に行ってしまった。
私は、部屋の掃除をする事にした。
みんなで、飲んだ後、そのままだから。
私『天気も良いから、洗濯もしようかな?』
独り言を呟いて、部屋の窓を開け放った。
心地好い風が、部屋中を駆け巡る。
掃除をしながら、洗濯機を回した。
予想よりも掃除に手間どい、午前中いっぱいかかってしまって、お昼を食べずに洗濯物を干していた。
ベランダから眺める景色が、写真の一部見たいで、時間を忘れてしまいそうだ。
吸い込まれそうな青い空に、白い雲。
(うん。春日和だ。こんな風は、お弁当を作りたいな。)
風に洗濯物や布団がはためいて、主婦になった気分だった。
最後に部屋中に掃除機を駆け回った時には、時刻は夕方を回っていた。
(8時頃には美和が帰って来るな。)
冷蔵庫の中身を確認して、何を買うかメモをした。
不思議な気がした。
2日前までは、こんな気持ちには絶対にならなかったし、絶対にやらなかった。
生きているって感じもしなくて、無理矢理、生かされてるって感じだった。
息をするのにも息苦しくって、いつも、何かに押し潰されそうで、逃げ惑っていた。
『フフッフ。』
(旗から見たら怪しいな。)
鍵と財布と携帯電話とメモ紙だけを持って、外に出た。
(青い空に吸い込まれそうだな。透き通っている。凄く綺麗だな。)
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