7人が本棚に入れています
本棚に追加
こいう行為をし出したのは、つい、最近だ。
(今まで謎が多い過ぎて焼き餅、不安、寂しさ、嫉妬しかなかったし、こんな余裕もなかったな。)
嬉しい様な寂しい様な複雑な心境だ。
(つい、数年前までお互いにスレ違い過ぎて何度も大喧嘩をして何度も別れ話が出てきた夫婦なのに…。浮気も度々、あったのに…。夫婦であっても一緒に暮らす事なんてなかったのに…。)
色んな事を思い出しながらボッーとテレビを見ていたらお風呂場のドアが開く音がしバスタオル一枚でかずさんが出てきた。
私『下着とかなら脱衣場においてあるよ。』
か『シャワーが熱過ぎてんねん。何やあれ?』
私『あぁ。私が先、シャワーを浴びたから。』
か『元に戻しておけよ。』
私『その内ね。』
か『………。着替えくるわ。』
いつものやり取りをし、かずさんが着替えて来た。
シャワーを浴びて着替え終わるまでに軽く、一時間は越えている。
か『早よう、出掛けるぞ。』
私『いつでも、行けるよ。』
(自分が遅かったくせに急かされるのは、いつも私…。)
バタバタと靴を履き、かずさんの後ろをついていく。
マンションのエレベーターに飛び乗り外にでたら金木犀の香りが鼻の中に入ってきた。
か『俺、この匂いは苦手やわ。』
私『そう?じゃあ、金木犀のお香を部屋で焚こうか?』
か『あほか。お前は俺が帰って来なくてもええんか?』
私『他に帰る家があればそっちに帰れば?そうなれば、もう、終わりやけど…。』
か『お前は強うなったな。前はそんな事を言わへんかったのに…。心配せんでも、俺にはお前だけや。』
私『ヘェ~。前科はいっぱいあるのにね。』
か『もう、忘れろ。過去は過去やろ。それとも、また、してええのか?』
私『脅すって事は現在進行形なの?』
か『あほ。そんな訳ないやろ。車に乗るぞ。』
(何を焦っているのか。また、違う女か。毎度、毎度、私にバレてないと思っている時点で素晴らしいわ。)
『バタン。』
二人が車に乗り込み、かずさんがキーを回し車を走らせる。
か『なぁ、お前は俺がいなくなったらどうする?』
私『かずさんがいなくなったら違う人を好きになって、幸せになるかもね(笑)』
か『ほうか…。そ…』
最初のコメントを投稿しよう!