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私『何て…そんな事が簡単に出来る訳ないやろ。かずさんが居なくなる事も考えられないし、かずさんの以外の人間を好きになる事も考えられない。』
かずさんの言葉に被せて早口で言ってしまった。
かずさんは微笑みながら私の頭を撫でた。
私『じゃあ、逆に私がいなくなったら?』
か『そんな事は考えられへんし、俺はお前が好きやから離れたくないねん。』
私『ふぅ~ん。』
か『何や?』
私『もう、そろそろ着くやろ?』
かずさんの質問には答えずに手をギュッと握った。
(また、何かあったんかな?それとも、また、一人で孤独に陥ってるんかな?)
車はお祖父ちゃん、お祖母ちゃんのお墓がある供養寺まで着いた。
車を駐車場に止めて、車を降りた。
二人で並んでお墓がある場所まで歩く。
(ここに来るのは何回目やろ?)
私がかずさんの元へ引っ越しをしてきた時から毎年、私の誕生日には来ている場所。
(最初は二人共、お金がなかったからお金がかからない場所を選んだだけやけどこうやってかずさんと二人っきりになれて並んで歩ける場所はここしかなかったし落ち着くからなぁ。)
周りの木々は少しずつ色づき始めている。
か『おう。着いたぞ。』
慌ててかずさんに追い付き、線香二束とロウソク二本を買う。
そして、お墓に手を合わせた。
かずさんの方をチラッと見ると長く、長く、手を合わせている。
私も、お墓に手を合わせて報告をし、これからの繁栄を願った。
か『そろそろ、行くか?』
私『うん。』
かずさんが歩き出した後に私も歩き出す。
(自然と歩調が合うのは何年も一緒にいるせいかな?)
かずさんの背中を見ながら過去に合った事を色々思い出した。
泣いたり、笑ったり、大喧嘩をしたり、本気で別れようと何度も思ったしその事で何十回もぶつかり合ってきた。
友人達からも『あんな男は止めておけ』っと、口々に言われながら、最終的にひ『二人はずっと一緒にいる』っと、言われてきた。
特に深い絆があった訳じゃないし最初は金蔓としか見られてもなかった。
誰にも会わせて貰えなかったし何度も私自身が壊れた。
その度に何度も、自殺未遂を起こした。
かずさんに支えられたと言うよりも周りの人達に支えて貰った。
私『フゥ~。』
か『どうしたんや?』
私『何でもないよ。』
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