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か『先、長々と手を合わせてたけど、何の報告をしてたんや?』
私『まだ、内緒。』
か『俺に隠し事をするんか~。ヘェ~。じゃあ、いいんやな?』
私『何が?』
か『(笑)。何でもあらへん。』
私の顔をかずさんが引っ張る。
か『不細工やな~。』
私『生まれつきです。それなら可愛いい子か美人な子を嫁に貰えば良かったやろ。』
か『嘘や。お前程、可愛いいのはおらん。』
不用意な言葉にかなり照れてしまった。
私『そんな言葉が、すぐに出てくるからモテるんやろうね。』
か『モテヘんわ。』
かなりの悪態をついた。
(でも、かなり嬉しかったな。ホストになってたら凄かったやろうな。)
か『これから何処に行くんや?』
私『明日まで時間をとってある?』
か『朝までなら何も予定はないわ。』
私『じゃあ、白浜に行こう。』
か『今からか?』
私『うん。今から。』
か『他の日じゃあ、あかんか?』
私『ダメ。絶対に今日じゃないとダメ。』
か『絶対にか?』
私『絶対に❗』
(ヤバいな。少しキレてる。でも、今日じゃないと意味がないしな。)
か『旅館とか今からやったら泊まれんやろ。』
私『もう、予約してあります。』
か『計画的か?』
私『そうです。だから、行こう。』
強引にかずさんの手を引っ張り、駐車場に連れて行く。
かずさんは何度も時計や携帯電話を見ている。
か『少し電話をしてくるから先に乗っとけや。』
私『は~い。』
(やっぱりか…。あの癖は一生、治らないのかな?)
二十分経ってもかずさんは戻ってこずに私はウトウトし始めた。
この時期はかなり眠くなるからだ。
夢に描いてた生活と現実はかなり違う。
いつの間にか知らない内に車が走り出していた。
ハッと目が覚めて辺りを見渡した。
かずさんは不満気な顔をしながらも白浜へ向けて運転をしていた。
私が起きたのを確認すると、
か『何処の旅館や?』
私『祝福邸。』
か『何処にあるんや?』
私『覚えてないの?住所を言うからナビに登録してね。住所は………。』
(最低や。覚えもいないなんて。)
悔しくって涙が出てきた。
女遊びへの不満もかずさんの仕事への不満も何もかも我慢してきたけど、プッツンと音がして堪忍袋が切れた。
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