プロローグ~現在~

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(ご機嫌も戻ったみたいで、良かった) 私も、安心して、ご飯を食べていたが、途中からお腹いっぱいになり、食べれなくなった。 何度か、吐きそうにもなった。 食べている途中で席を立つわけにも、行かないので目の前にある食事を黙々と片付けた。 (不味くないし、かなり美味しいけど、時期がね…。) 半分、涙目だった。 か『昼間はどうしたんや?』 私『何が?』 意味もない、話を突然、フラれて咳き込んでしまった。 か『昼間、お前が意味もなくキレた事。』 私『意味はあったよ。この旅館の事を覚えてる?』 か『いいや。』 私『じゃあ、三段壁は?洞窟は?』 か『覚えてるよ。お前と一緒に来たやんか。』 私『その時、何処に泊まった?』 か『はっ?』 私『………………。』 言葉を失ったし笑いが込み上げて、爆笑した。 笑い過ぎて死ぬかと思う程、笑った。 かずさんは一人で、呆然としてるけど…。 私『あの時、海老っていう海老を全て私にくれて誰が一番、苦しい思いをしたかな?』 か『はっ?今日は海老がないやんか。』 こいう、天然な所は憎めないし、最も愛しい所だ。 呆れたけど…。 私『海老の天ぷらや海老の焼いたのが食べれないのは誰?』 か『俺やけど…。』 私『ねっ?って、まだ、わかってないよね?』 か『意味わからん。』 私『やっぱりね…。二人で最初に旅行に来た時に泊まった旅館だよ。』 か『はっ?』 (本当にわかってないみたいだ。) 私『無理に思い出さなくても良いよ。ご飯を食べよう。』 か『もしかして、この部屋か?』 私『うん。』 微かに何かを思い出したみたい。 (旅館の人に無理矢理、頼んで一緒の部屋にして貰って良かった。) か『ビールを、また、頼むぞ。』 私『もう、止めときや。』 か『後、一本で終わる。』 私『約束だからね。』 かずさんはビールをすでに三本も空けていた。 (それでも、飲み足りないって所は以前と、本当に変わりないけど、お茶の変わりに飲むのは止めて欲しいな。) 私の願いはいつも、願いで終わる。 そんな、かずさんを見るのは大好きだ。 料理を殆ど、食べ尽くした所に、ちょうど、仲居さんが様子を見に来た。 な『例のモノをお出ししても、宜しいですか?』 私『お願い致します』
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