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「はっはっは!友美はおもしろいなぁ」
「おもしろいって!人が真剣に相談してるのに……。」
「あぁ。ごめんごめん。でも登下校中もそんな視線を感じてるなんておかしいだろ?」
「おかしいって何が?」
「だって俺も駅から一緒にいつもいるじゃん。それって俺の事も一緒に見ているって事だろ?」
確かにそうだ。私を見ているとは限らない。
「もしかしたら俺のファンの子だったりしてな。」
賢治は冗談で場を和ませてくれた。
しかし完全には納得しきれていない私に気を使ってか
「よし今度の土曜にデートに行こう!たまには受験勉強もお休みにしてさ。それで普段の疲れを二人で癒しちゃおうぜ。」
賢治なりの精いっぱいの私への気遣いだ。
賢治は私より偏差値も低く大学までの道のりは険しい。
本来なら私よりも受験勉強に力を入れたい所なのに、私にかまってくれる。
私は電話ごしに相談しながら静かに泣いてしまった。
私はこの人の事が本当に好きだ。
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