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映画館はショッピングモールの中にあり開演の時間まで少しあったので、私達はショッピングモール内のお店を見に行く事にした。
賢治のよく行くメンズファッションのショップや私もたまに行く雑貨屋等に寄って時間を潰した。
時間になり映画を見始めた。
終始賢治とは手を握っていた。
映画の内容でビックリするような箇所が途中何度も出てきてその度二人で手をビクつかせる。
そしてその度賢治はこっちを見て静かに笑う。
それにつられて私も笑う。
映画は確かにおもしろいのだが、こうして賢治と一緒にいられる事の方が私には大きな出来事だ。
そして映画が終わり辺りがゆっくり明るくなり始めた時に賢治がこっちを見るなりそっと顔だけ近づけてきた。
私は一瞬焦った。ここで？
……でもいいよ。
私は静かに目を瞑り少し上を向くような感じで賢治のキスを受け入れた。
それは時間にしてみれば２～３秒の事なのだが私には永遠にも感じるほど長く、そして幸せの時間だった。
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