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「受験が終わるまでの糧にしたいんだよ。……それでも駄目か?」
悩んだ…別に嫌でもないし駄目でもない。
私だって賢治が好きだ。
しかし今日の私は何故か簡単に了承出来なかった。
それは本当に理由がある訳でもないが第六感というやつか、それとも女の感か……とにかく了承してはいけない気がした。
しかしそんな戸惑っている私を見て賢治は少し悲しそうな目をしながら
「わかったよ。いいよ友美が今日は行きたくないなら俺も我慢するよ。せっかく今日は友美の気晴らしに来てるのに悪かったな。ホントごめん。」
!!!!!
私はなんて馬鹿でずるい女だ。
今日は私の為にわざわざ賢治が忙しい中連れ出して、私の気晴らしに付き合ってくれたんじゃないか。
そんな賢治に甘えてばかりで賢治の望む事はお断り?
なんて身勝手なんだ!
自分に腹が立ってきた。
それと同時に賢治への申し訳なさで胸がいっぱいになった。
私は賢治に一つ聞いた。
「賢治!」
「ん?どうした?」
「私の事好き?」
「当たり前じゃん。」
そう言うと私はそっと目を閉じ唇を賢治につきだした。
賢治はそれに答えるかのように唇を重ねてきた。
まだ外は明るいのにおかまいなしだ。
そして私達は唇を離すと何も言わずにホテルの中に入って行った。
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