告白ごっこ

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「いい間違いだって」 「もう、誰でもいいからっ」 島田さんは険悪な顔をしはじめた。それは周りにいた友人たちも同じだった。 私たちも告白したんだからナオもしなさいよ、と言われている気がした。 あんたらにとって個人主義なんてクソくらえなのか。 ふと、ある人の顔が思い浮かんだ。 どこにでもいるような普通の男子で、頭も顔もスポーツも中の中のそのまた中ぐらい。 でも、どことなく気になる。 これ以上、空気が重くなるのも面倒なので彼の名前を答えた。 「へぇ、意外。普通でしょ、アイツ」
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