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花を育てることが好きだった。
フラワーショップを経営していた祖父の影響だろう。
健在だったころに、土いじりをしながら花の名前や花言葉をよく聞かせてくれた。
植物は育てる人を裏切らない。
労力を惜しまなければ綺麗な花を咲かせてくれる。立派な樹木になってくれる、と祖父は常々言っていた。
こうして草花に水をあげていると、その気持ちが少しだけ分かるような気がした。
花と同じようにひとりでいることも好きな僕にとって園芸部の活動は楽しかった。
周囲の状況に合わせて気をくばることもなく、だれかに邪魔をされることもない。
ただただ、花を咲かせるための作業に没頭できたからだ。
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