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あの日も同じように僕は水やりをしていた。そこを急に呼び止められて告白された。
下校時刻を過ぎたあの時間帯、校舎裏に来る生徒はほとんどいない。
たまに体育館からバスケ部ガ顔を出すくらいで、マネージャーをしている神谷は僕の日課を知っていたのだろう。
そう考えるとすこし恥ずかしくなってきた。
小学生の卒業アルバムに書いた将来の夢を勝手に見られたようなかんじだ。
水やりをする姿を見て影で笑っているんじゃないのか、バカにしているんじゃないのか。
そんな考えが頭をよぎる。
教室でも園芸部で活動していることは誰にも話していなかった。所属はしているが帰宅部だと答えていた。
その嘘にもう意味はないだろう。本当に面倒なことになったものだ。
僕は花壇から離れて水を止めた。
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