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野球、サッカー、陸上とそれぞれの青春を謳歌している生徒たち、乾いた土のうえに引かれた白線、走る神谷の制服や風に吹かれてやわらかくゆれる黒髪――
すべてが、オレンジと群青色の明暗にそまっていた。
神谷を見送った僕は手紙を上着のポケットに押しこみ、家路についた。
夕暮れ時の告白か。
恋愛ドラマや小説なら、とてもドラマチックかつ乙女チックな展開だ。
ただ、僕にとってはどうにも面倒なことでしかなかった。
さて、どうやって断ろうか。
歩きながらその方法を考えていたが、いい案は浮かばなかった。
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