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僕は大きなあくびをしながら寝返りをうち、仰向けになる。
深呼吸をして静かに瞼を閉じると、ほの暗い空間に包まれた。
暗闇の中で必死に考える。
どうすればうまく立ち回れるのか。
できるだけ神谷を傷つけず、クラスに悪い噂が広まらないように告白を断りたい。
今の平穏な生活が乱されることのないようにしたかった。
目を開けて。
「こんにちは、神谷ナオです。突然呼び出してごめんなさ――」
手紙を読み返すうち僕はあることに気付いた。
返事も、手紙ですればいいんじゃないか。
わざわざどこかに呼び出して相手に伝える必要がない。断るときに気まずい雰囲気にならず、内容もすんなりと伝える。
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