終焉の地、その名はトイレ

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人間、いつかは死ぬ時がやって来るが。その瞬間がトイレになるなど、一体どれだけの人間が想像できるだろう。 仮に、これが映画などのフィクションの世界の中なら、今この瞬間のシーンは、きっとギャグシーンの一部として視聴者に伝えられるであろう。 役割的に言えば。トイレに逃げ込みゾンビに襲われる、そんな哀れな最期を迎える脇役の一人。そんなところであろう。 そのように考えれば考える程、彼の中には悔しさが溢れていた。 もはや、この固く閉ざした扉を、解き放とうか。そんな考えが、一瞬駆け巡る。 だが、折角ここまで生き残った命である。一瞬の感情に任せて粗末にするなど、それこそ最低なのではないか。 とりあえず、彼は一旦頭を冷やす為に、洋式便器に腰を下ろす。 すると、何故だか不思議な安心感に満たされ始めた。
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