渇望、そして狂愛 -蜂蜜色に溺れて眠れ-

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-トクンッ、トクンッ、トクンッ…     「エド…?」       -トクンッ、トクンッ、トクンッ…     「………」           俺の心臓の音と男の心臓の音               2つの心臓の音が重なり響き合う                 ソレは酷く心地良い…     「…エドワード……?」   頭の上から聞こえてくる、困惑する男の声すら、酷く心地良く感じる。     何故だろう?       わからない                 わからないが、俺は多分…この男のコトを知っている… そして、この男も俺のコトを… 「…なぁ」 「…なんだね?」 男の胸に埋めていた顔を上げ、男を見つめる。 綺麗な、深い闇色をした男 「なんでアンタは、俺の名前を知ってるんだ?」 「………」 男の闇色をした瞳が一瞬だけ悲し気に揺らいだ。 沈黙が続く 男は所在無さげに目を泳がせる。 「アンタは俺のコトを知ってるのか?」 「…………」 「アンタは誰なんだ?」 「………」 男は何も答えない そんな男を相手に俺は疑問をぶつける そのたびに男の瞳は悲し気に揺らぐ なぁ、なんで何も言わないの? なんでそんな目で俺を見るの? なんで なんで なんで…ッ 「なんでそんな……悲しそうなの?」 .
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