渇望、そして狂愛 -蜂蜜色に溺れて眠れ-

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―ズキン       首にさっきより強い痛みが走り、言葉を紡ぐコトができなかった。   「あぁ、まだ痛むか?すまないね、つい加減をするのを忘れてしまった」   「な、に言って…ッ?」   「黙って…」       そう言うと同時に、唇に柔らかいモノを感じる。     …コレは何だ?       しばらくすると、その柔らかいモノが離れていった。   「…い、まの……?」   「ん?キスをしただけだが?」   「き、す…?」                 きす……?   きすって……………キス?     キ―……ッ?!//   「なッ、キ、はッ?!///」       キス?!   何で男の俺が明らかに同性である正体不明の(多分)初対面の奴にキスされなきゃならないんだ!?   しかも、俺の、ファーストキスがッ!!         ―ドサッ   「Σなッ…?」   突然(俺のファーストキスを奪った憎らしい)男に押し倒された。   丁寧にも、俺が抵抗出来ないように両腕を頭上に固定された。   「な、何?アンタ、さっきから何なんだよ!?退けッ!離せッ!!」   「…主人に対してその態度はいただけないな……エドワード…」   「は?主人?何言って―…「覚えていないのかね?」」   …コイツは何を言ってるんだ?   「君のココ…」   スッ…と男の指が俺の首筋を滑るように撫でる。   「ッア…?///」   ソレと同時に先程痛みを感じた箇所が、また痛み出した。   いや、それだけではない。   痛みとともに、熱を持ち、体中の血がソコに集まるかのような錯覚まで伴った。   男はそんな俺の様子を見て取ると、口端を上げる。   「何故痛むか分かるかね?」         分かるわけがない。             「…私に血を吸われたからだよ」   「血を…吸われた…?」   「そう…」   「はッ…そんな、吸血鬼でも有るまいし…」  「私は、れっきとした吸血鬼だ」                 俺は驚愕の眼差しを男に向けた。   .
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