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鬼の形相をした、流さんが立っていた。
玄関も開いていることもなく、しっかりと閉められている。
「な、なんでそこに…」
「侮ったね。ボクが、雷速瞬動を使えるとも知らずに!」
「いや、それは漫画やアニメの中だけの話ですから!」
「さ~て、ボクを騙した罪は重いよ?」
ガチャ、と重い音を立てて、銃口が俺に向けられる。
「残念だよ、慶介。」
「いやいや、全然残念がってませんよね!?むしろ楽しんでますよね!?」
「ぐすっ、さよなら慶介。君のことは忘れない…」
「こういう場面で、しかも、あなたが言うような台詞じゃないとおもうんですが!」
流さんが引き金にかけている指に力を入れているのがわかった。
ああ、もうだめだ。思えば、俺の人生短かったなぁ……
今にも引き金が引かれそうな刹那、玄関のドアが開いていき、一人の姿が現れる。
「何してるの、お姉ちゃん!」
そこには、
流さんがもう一人立っていた。
「父さん、母さん、あなた達より先に旅立つ親不孝者をお許し下さい…」
「何縁起でもないこと言ってるの、慶介君!」
慶介君?その呼び方をしているのは、知っている中じゃ豊川さんだけだが……、まさかっ!?
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