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ショットガンを持ち、覆面を被った如何にも危険な人物が立っていた。頭の中で危険信号が点滅し、咄嗟にドアを閉めようとしたが、相手の行動はとても素早く、そのまま玄関に押し倒されてマウントポジションをとられ、ショットガンを突き付けられる。
「お、お金でも何でも差し上げますから命だけはお助けを!!」
まだ死にたくない!
何とか助かろうと必死な俺に、謎の人物は予想外のことを言い放った。
「Trick or Treat?」
「は?」
謎の人物の問いに思わず、気の抜けた反応をしてしまう。あれ?この声は…
「もしかして…流さん?」
「な、何を言ってるんだ。ボクがあの疾風迅雷の豊川こと、豊川 流なわけが無いでしょ。」
「動揺してるの、まるわかりなんですが……」
もはや、自分で暴露してるようなものだし。少々、自が出てるし。
「ど、動揺なんてするわけが無いだろう、流ともあろう者がっ!」
「それで何の用ですか、流さん?」
「だから、ボクは流じゃないって言ってるだろ!」
おのれ、自分でばらしてまだ白を切るか!こうなれば…
「あなたの妹の名前は?フルネームでお願いします。」
「豊川 静だよ?」
「……いい加減、疲れるんで観念してもらえないですかね?」
「ああもう!わかったよ!」
流さんもようやく観念してくれた様で、覆面を外した。
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