プロローグ

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いつも同じことの繰り返し。 俺はそんな世界に飽き飽きしていた。 水無月進(ミナヅキシン)十五歳。学力、運動神経共に人並ぐらい。趣味特になし。好きなものや嫌いなものもない。 平凡…そんな言葉で表されそうな俺だが、それは今まで真剣になれることがなかったからだ。 勉強も、スポーツもそんなに楽しいと思ってなかった。 どうでも良かったからこそ平均止まり。 そう…だからこそ俺は夢中になれることを探していた。 だってそうだろ? 人間は本当にしたい事が…“夢”がなければ誰しもが中途半端になってしまう。 学力があるから、運動神経がいいから… 確かにそれで俺たちが住む世界は、その個体の数値を出し、社会に組み込んでいく。 でもそれは違う。 本当にしたい事でなければ人は自らの能力を出しきれない。限界を越えられない。 だからこそ、俺は、俺にしか出来ないことを極めて、そして俺自身で何かを作り出していきたかった。 そう、俺は夢中になれる何かをずっと探していたんだろう。  
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