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走る。走るのだが…いくら走っても追跡者は撒けない。
中々しつこい奴等だ。
だが、逃げ続けている間に追っ手は女と男が一人づつという事が分かった。
そして何やら俺を夢で苦しめた白いペンダント付きのネックレスを女が持っていることも。
それにより少し興味が沸いた俺は逃げ続けるのを止めて曲がり角を曲がった所で、棚が捨てられていたのでその陰に隠れる。
すると面白いほど簡単に追っ手の男と女は通り過ぎて、俺が消えたことに驚愕していた。
しかしながら後ろを向くか、俺が動けばその音で彼らは気づくだろう。
ならば…と俺は後ろから声をかけてやった。
「何だお前ら?」
ビクッと俺の声に反応して二人は咄嗟に俺から距離をとる。
うわぁ…絶対何か戦闘慣れしてる危ない奴等だ…
と、それだけで分かったがポーカーフェイスを崩さずに相手の返答を待った。
やがて女のほうが口を開く。
「貴様…何者だ?」
質問を質問で返しやがった。
何だコイツ…
と、いうか俺を知ってるから追いかけていたんじゃないのか?
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