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そんな私達の様子を微笑ましそうに眺めながら井上さんは店のドアまで見送りに付いて来る。
「また来るから。」
申し訳なさで一杯になりながらそう小さく声を掛けると、井上さんは全く気にも留めない様子で軽く片手を上げて笑った。
そして、私から涼介君に視線を向けると緩やかな表情のままで言った。
「さっきの、忘れずに。」
「え？何？」
でも、当の言われた本人は知らんふりをして歩き出す。涼介君と井上さんの顔を交互に見ながら、それでも何も言って貰えない私は諦めて涼介君の後を追った。
涼介君の背中を見つめながらちょっと早めの歩調に合せて歩く私にチラリと視線を向けた彼は興味なさ気な声で言う。
「知りたい？」
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