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「し、知りたい!でも、言いたくないなら聞かないけど…」
聞いて良いのか悪いのか、どちらが正解か分からずに曖昧な答え方をした私に涼介君からの返答はない。
黙ってしまった彼の肩越しに遠慮がちに声を掛けてみる。このままでは駐車場の車に乗った途端、寄り道なしで家に連れ帰られそうだ。
「涼介君、私小腹が空いているからコンビニに寄って貰えると嬉しいんだけど。」
でも、私の顔を見つめた涼介君の表情は硬いままで私を無表情で見下ろしている。段々と情けなくなってきて目頭が熱くなる。
ああ、一体私はこんな時間にこんな所で曲がりなりにも彼氏に一方的な冷たい仕打ちを受けなければならないんだろう。
涼介君の視線を受けながら必死で見つめ返す私に彼はフウッと溜息を吐いた。
「桃華さんは俺の事が好きだろ?」
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