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「うん、好き。」
間髪入れずに返答をした私は自分でも馬鹿だと思うくらい涼介君の言葉に翻弄される。縋る様な気持ちで答えた私に涼介君は呆れたような小さな微笑みを浮かべた。
「じゃあ、もっと俺の事だけ見てろよ。」
突然の言葉に私は思考回路がショートする。
一体何の話なんだろう?今日は同僚の送別会で、女性のみの集まりだと話してあった。今日、バーに行ってからも涼介君以外と話してもいないし、何をもってそんな言葉を吐くのか分からない。
「私、そんなに信用ないの?」
「そういう問題じゃない。」
そう言った涼介君は私の顔を見て、一瞬顔を顰めた。
ああ、面倒臭い女だと思われている。今のセリフは涼介君の求めた回答じゃなかったんだ。
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