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そろりと伸ばした手を涼介君の頬に添わせる。
そして思いを込めて囁く。
「私、涼介君しか見てない。」
お願いだから私の気持ちを汲み取ってよ。これ以上冷たい態度を取られると“涼介君はちゃんと私の事好きなんだ”って自信がただの思い込みになってしまうから。
涼介君を祈るような気持ちで見つめる。
そんな私の顔をジッと見つめていた彼がスッと私の耳元に顔を寄せた。
「桃華さん、お仕置きね。」
何でそうなるの!と思いながらも涼介君が私の唇に噛み付くようなキスをするだけでどうでも良くなってしまう自分が可笑しい。
彼の髪に指を差し込み、声にならない言葉を紡ぐ。
『大好き』
涼介君はそれに応えるかのように私の腰を更に強く引き寄せる。
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