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ふわりと涼介君のつけた香水の香りが流れてきて、どうしようもなく胸が切なく締め付けられる。ずっとこうして寄り添って涼介君の側に居たい。いつも涼介君の温もりを感じていたい。
ピッタリと引っ付く私に涼介君が微かに笑った気がした。
「続きは桃華さんの家で。」
「う、うん。」
嬉しいような恐ろしいような複雑な気分に苛まれながら、でも涼介君が繋いでくれた手の温もりを頼りに駐車場に向かって歩き出した。
………
「未だに涼介君っていう生き物は攻略が難しいよ。」
後日、井上さんのバーに足を延ばして何気なくぼやくと珍しく彼は吹き出すように笑って言った。
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