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――とある部屋
「まだか、まだなのか!」
とある部屋で一人の男がウロウロと歩き回っている。金髪の髪をオールバックにし、髭を伸ばしている姿は威厳のある男と言った感じだ。
しかし、今は威厳はゼロに等しい。
「旦那様、落ちついてください」
メイドが男を落ちつかせる。もはや立場が逆だ。
すると
――おぎゃあ、おぎゃあ
「う、産まれたか!」
男は部屋を飛び出し、別の部屋へと入る。
「貴方、静かにしてください。ほら元気な男の子ですよ」
「おお!マリア。よく頑張った!」
マリアと呼ばれた女性は綺麗なクリアブルーの髪と瞳を持つ美人だ。
「ほう……不思議な髪と瞳だな」
産まれたばかりの子供は灰色の髪と黒の瞳を持っていった。
「ええ……でも、どこかたくましいわ……」
「そうだな。ところで名前は決まったのか?」
「ええ。名前はライナよ」
「ライナ……。いい名前だ」
これが彼の新しい人生のはじまりだった。
―――
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