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「ひゅい…ひぃぅ…」
裂いた筈の喉元、しかし傷跡は莫迦みたく綺麗で。
妙すぎる。普通なら裂けた肉が隆起するのが必然なのに。
血みどろの妹へ、改めて恐怖を抱く。
「おま…何で生活反応が…」
「…ひゅ………ひぃひぃひ……」
「…っ」
ぴよりは答えなかった。只ひたすら空気を集めている。
傍らに落ちる自分の日記を拾う。血飛沫が着いてる。
拭ってみるとあっさり取れた。シミ1つ無い。
「…」
何なんだよ、畜生。
思考が逃げ出したいと叫ぶ。そうだ、少しでも離れないと。
うずくまるぴよりを一瞥した後素早くカッター甲を回収。
鞄へ日記を投げ入れチャックを閉じる。ゆし。
今一度ぴよりを見ると微かに痙攣が見られる。
カッター乙を握る手に力が入る…いや、やめよう。
親が作った子供殺めてどうする。
僕は足早に教室を出て行った。
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