恋の嵐は突然に

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~遡ること数時間前~ もうすぐ冬休みとあって浮足立っていたクラスを幽鬱にさせるのは今日のテスト返し。 幽鬱な気分と悴むような寒さの中、足早に高校に向かう。 「おはよう、愛。来週には冬休みかと思うとわくわくしちゃうね。」 「あぁ、咲紀。おはよう。でも少し気が早いんじゃない?今日はテスト返しだよ。自信あるの?」 「げっ・・愛~現実に戻さないで。テストに成績表、何それおいしいの?って感じだよ…もう考えないようにしてるの。」 そう言ってがっくりと肩を落とすのは、幼馴染の綾部咲紀(あやべ さき)。 美人で、裏表のない性格は男女問わず人気があり、私とは正反対の自慢の幼馴染。 明るくて人望も厚く、スポーツ万能な咲紀は生徒会の副会長やバレー部のエースとして活躍するスポーツ少女なだけに、勉強はあまり得意ではないみたい。 「あー勉強なんてなくなればいいのに~。」 テスト期間も同じセリフを聞いた気がする。
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