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「ん………」
ほら…と差し出された一口分のケーキを口に含む。
(お?…………ヤルナ、涼介)
思わず心ん中で、涼介に親指を立てた。
ビターなチョコレートのケーキだが、かなり甘さを押さえてあるそれは
なかなか良いブランデーが使ってあるらしく、鼻を抜ける薫りが俺好みだった。
(だが、これは藍には…)
『おい、藍…食うのは…あっ!?』
待てよ!… と言うつもりだったが、時、既に遅し。
「んぅ?」
何?…とこちらを向いた藍のほっぺたは膨らんでいて、
モグモグと旨そうに食べている最中だった。
(お前にはアルコール強過ぎんじゃねぇのか!?)
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