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藍を引き取った日初めて見つけた時、藍の奴は酒に酔っていた。
摂取したアルコールの量がどれ位だったのかは解らないが、
恐らく藍は酒にさほど強いとは思えない。
『藍、…美味いか?』
「………ん、ウマイ」
(大丈夫…か?)
「りょーすけさん、天才…」
(………じゃ、なさそうだな)
あっという間に空になった皿を取り上げ、少し冷めた紅茶を差し出す。
それを素直に受け取り、両手で持ってコクコクと飲み干す藍。
(ダメだ………酔ってやがる)
藍のほっぺたは、ほんのりピンク色に染まっていた。
なんとなく、フニャリとした顔つきになった藍に
―― 寝るんなら歯ぁ磨いてこい
と言うと、コクンと頷きすっくと立ち上がると、ぽてぽてと歩き出した。
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