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「瑠一…寒………い」
『あ?暑いんじゃねぇのか?』
取り敢えず熱を計った方が良さそうだ…と、体温計を探しにリビングへと向かう。
ピピッ――…
電子音を合図に取り出した体温計が示したのは38度。
それだけ高い体温でも、藍はまだ震えている。
手足が体温の割に冷たいことから、まだまだ熱が上がりきっていない事がわかる。
風邪だとは思うが時期が時期なだけに、
万が一、インフルエンザなんかだったりすると藍の身体が心配だ。
体温計をサイドボードに置いて、毛布の中でうずくまる背中をさする。
『藍、………病院行こう、な?』
「やだ」
(即答か…「嫌」じゃねぇだろ)
さすっていた手で、今度はトントンとあやすように叩く。
『熱が高すぎだ』
「我慢…する」
『馬鹿が……ホラ、駄々こねてねぇで行くぞ』
「やだ」
(………ったく)
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