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足下が覚束ない藍を再び背負い玄関のドアをくぐると、真っ直ぐ寝室へと向かう。
『咽乾いたろ…水汲んでくるから待ってろ』
「ん―…」
聞いてるのか聞いていないのか…
返事はするが、意識が朦朧としている為に眼の焦点があっていない。
藍を残してキッチンに行くと、水を用意しながらポケットを探る。
『さて、始めるか…』
手にしたのは…子供向けだろう、可愛らしいキャラクターの絵柄がついた小さな紙の袋。
平仮名で『おくすり』と書かれたそれには、雅紀のお袋さんが耳打ちしてくれたモノが入っている。
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