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寝室のドアの前まで来て、【抗生物質】と書かれた錠剤を口に含む。
――― カリッカリッ……
ドアを開け、それを噛み砕きながらベッドに近づくと、飲み込まないように注意しながら水を含んだ。
虚ろな眼差しをした藍の顎に指を掛け、此方を向かせると薄く開いた唇を塞ぐ。
「んぅ………ンぐ…んぅ」
(コレなら飲めるだろ?)
口の中の薬と水を口移しに与える。
だが、流石に必死に嫌がっただけのことはある。
「っ!?………んンっ、ん…んぅっ」
口に広がった苦味に眉根を寄せ、僅かに身じろぐ身体。
宥めるようにそっと抱きしめ、差し込んだ舌で焼けるように熱い舌を絡め取ると、藍の身体から強ばりが抜けていくのが解った。
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