346人が本棚に入れています
本棚に追加
150年…。
長いようで短い時の中で俺たちは出会った。
あの日、桜の舞う中で出会い、
世界も何もかもを隠すように白く包みこんだ雪の中で別れた。
お前に教えてもらった手話も、もうほとんど覚えた。
お前の使うへんてこな文字もだいぶ読めるようになった。
……なのにそれをお前に見せることも、もう二度と出来なくなった。
お前と文通をすることも〝らぶれたぁ〟を渡すともできなくなった。
このらぶれたぁがお前に届くことは、あるのだろうか。
150年後、生まれてくるお前に……。
最初のコメントを投稿しよう!