第一話 150年後の君へ。

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  150年…。 長いようで短い時の中で俺たちは出会った。 あの日、桜の舞う中で出会い、 世界も何もかもを隠すように白く包みこんだ雪の中で別れた。 お前に教えてもらった手話も、もうほとんど覚えた。 お前の使うへんてこな文字もだいぶ読めるようになった。 ……なのにそれをお前に見せることも、もう二度と出来なくなった。 お前と文通をすることも〝らぶれたぁ〟を渡すともできなくなった。 このらぶれたぁがお前に届くことは、あるのだろうか。 150年後、生まれてくるお前に……。   
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