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別荘に到着したとき、俺とA、Bはちょっと引いてしまった。
老朽化していると聞いていたが、予想よりもかなり古いし荒れている。
2軒とも大きな建物で普通の家と変わらない大きさのログハウス風なのだが、木の壁は黒ずんでいて 、日の当たっていない場所や下のほうは苔が生えている。
しかも庭は何年も放置していたようで荒れていて、植木は枯れるか枝が伸び放題、雑草が生い茂り、あちこちに蔦が絡まっている。
俺とA、Bが「うわー…」という顔になって立ち尽くしていると、
おじさん「ま、まあ外見はあれだけど中は結構きれいだよ。」
と手前側の建物から中を案内始めた。
なるほど、たしかに外見と違い中の方は結構小奇麗だった。
どうも先に少し片づけが進んでいたようで、玄関を入ると横に棚や段ボール箱が無造作に置かれてい るが、それ以外は特に気にするような物もなく、
『別荘っていっても普通の家とたいして変わらないのな』
と思いながら室内の案内や作業の段取りの説明を聞いた。
次に隣のもう一つの方の説明になったのだが、玄関を入るとちょっとカビ臭いし、妙に陰気な気もする。
おじさんは気にせずあがり説明をし始めたのだが、最後にまだ行っていない1階の廊下の奥のほうを見ながらこう説明した。
「あの奥はやらなくて良いよ。以前雨漏りしてね。それ以来床がモロくなっていて危ないんだ。奥の部屋には大した荷物も無いし、そのまま取り壊すから」
ということらしい。なるほど、カビ臭いのはそのせいかとちょっと納得した。
一通り説明が終ると、おじさんは俺達に名刺を渡し
「じゃ、よろしくね」
というと帰って行った。
初日は午後からの作業ということもあり、ある程度片付いている最初に説明してくれた奥側の建物の二階の荷物を1階に降ろす作業をし、夕方にやってきたさっきとは別のおじさんのバンに荷物を乗せ、1日目の作業を終らせた。
俺達はカビ臭いほうの建物に泊まる気はなかったので、さっき作業をした方の建物のリビングに寝泊りすることにし、夕食を食い風呂に入ると、疲れていたこともあり早めに寝てしまった。
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