アルバイト

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薄暗い月明かりしか明かりが無いので何なのかは良く解らないが、大きさ1mちょっとの子供くらいの何かがユラユラと揺れながら、黒っぽいものを引き摺っているのが見えた。 俺達が声も出せずジッとそれを凝視していると、それはズリズリと何かを引き摺りながら建物の影へと消えていった。 完全に見えなくなってから更に2~3分過ぎた頃、 A「なんだあれ…」 俺「人…か?」 B「あんな小さい人って子供か?子供がこんな山奥に。しかも深夜にいるか?ありえねーよ!」 A「…一応、確認しにいくか?」 俺「いや、どうせ明日あっちの建物の片付けするんだし、その時一緒に確認すればよくね?」 とやたら早口に即答した。AもBも内心ビビってたらしく、全員そうしよう。 という事でその場は無理矢理寝る事にした。 翌朝 疲れとは明らかに違う理由で俺達の足は重かった。 流石に今は昨夜のあれについて確認しないわけにはいかない。 俺とA、Bは近くに落ちていた棒を持ち、恐る恐る昨夜アレがいた辺りの藪を突付き始めた。 暫らくそうしながら別荘の裏側の藪を調べていると、棒の先に何か柔らかい物が当ったのがわかった。 俺「おーい!こっちになにかあるっぽいんだが」 藪を掻き分けて見ると、それはヘドロ状というかなんというか、ドロドロしたなんだか良く解らない黒い色の物体で、良く調べてみるとそこにあるだけでは無く点々とあちこちに落ちていて、後を辿っていくと別荘の裏の壁にもベチャッという感じで張り付いていた。 更にその物体の後を辿ってみると、どうも別荘の縁の下のほうにも跡が続いているように見えた。 が、それ以上は何も無い。縁の下のほうも見てみたのだが、入り口の辺りに例のドロドロした物体があるだけで奥のほうには無さそうで、俺もAもBもなんか妙に期待はずれというかグダグダになってしまって、そのまま微妙な空気のまま引越し作業の続きをする事にした。
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